中将姫物語

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作家の寮美千子さんとまさに二人三脚で進めてきた中将姫物語の本がやっと完成いたしました。

見開き2ページにつき挿絵を一枚。絵本と小説の間の、児童文学と呼ばれるジャンルでの本となりました。


そんなめくるたびめくるたび一枚ずつ絵がある本なので合計で30枚ほどの挿絵を描かせていただきました。

数が多い上に、商業冊子の挿絵の仕事は初めての右も左も分かってなかった私(挿絵場での物語の流れは右から左という基本的なこともおしえてもらいました。まさに右も左も、です。)にご指導ご鞭撻いただき、さらに寮さんはものすごくこだわりを大切にする方でもあるので、ものすごく時間がかかってしまいました

特に苦労した嘉藤太がまさに中将姫へ刀を振り上げるシーンは改めて数えると28回のリテイクを経ていて我ながら驚きます(笑)


寮さんとの連絡のメールを読み返すと、最初のやり取りが2015年の3月。まさに足掛け三年の大仕事となりました。


最初の原稿を読ませていただいた折り、実は、私的には中将姫のあまりの清らかさに感情移入できず、どういう気持ちで進めていけばいいかなぁと悩みました。むしろ継母である照夜の前の嫉妬心の方がちょっと理解できるわという有様でした。すみません私の徳が低い証拠です。

まためっちゃ人が死ぬ。まず実の母が亡くなり、姫のせいで、というか姫のために、まぁそもそもは照夜の前のせいなんですがとにかく中将姫のまわりの大切な人がどんどん死ぬ。

歌舞伎として浄瑠璃として語り継がれてきた所以でしょうか。とにかく悲劇と苦難の連続です。


かたや最近の児童文学の棚を見るとアニメタッチのイマドキの絵、自分と主人公を重ねたくなるようなワクワクするような物語に、ああ、この物語は今時の子供たちに受け入れられるのかなと、少々クラクラしていたほどです。


ただ、物語を読み進めると、ノスタルジーというか、懐かしさを感じる。

そうそう昔の童話や読み物は意地悪な魔女や継母は毒々しく主人公は清く正しく美しく、であったなぁ。白雪姫、シンデレラ、小公女セーラ苦難の連続後の来迎のラストはフランダースの犬のルーベンスの前での昇天ラストの例もある。


書店で、図書館で、

そんな物語の本を手に取る子供の頃の自分を思い出す。

いまでも覚えてる本の表紙を思い出す。中の挿絵を思い出す。


誰か、この物語の本を絶対手にしてくれる子供がいる。

そんな子供たちが中将姫のことを思い出す時、この表紙を、挿絵を思い出してくれますように、と

そんな気持ちで描き進めて行きました。

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「いじめられたお姫さま」というタイトルに色々ご意見あるとは思いますが、

雪責めの松、に代表される、そこに主眼を置いた物語が昔は歌舞伎や文楽で上演されていたんだ、という事も含めて伝えようという思い。

また、それでもそんな継母のために祈りを捧げる姫、という「許し」も伝えたかったのかな~、などと、私は勝手に解釈しています。


私の周りでは知ってる人のほうが多いのですが(笑)

そんな色々ある中将姫物語のうちの中のひとつとして加えていただけたらなと思っております。

フルコトやことのまあかりでも販売しますのでどうかよろしくお願いいたします。

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by yasjiji | 2018-05-09 10:02 | こんなお仕事しました
〜天皇になった皇女たち〜 刊行... >>


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